その一瞬、

静まり返るアーケード街。

その静寂を破ったのは、

トラックの運ちゃんといった風貌の
オッチャンの
ぶっきらぼうな声だった。


『おー、兄ちゃん、頑張れ。』


その声を皮切りに、

がんばれ、負けるな。
と、
ギャラリーから
次ぎ次ぎに声が上がる。


な、なんやコレ…


中学生の俺は、どうして良いかわからず、

応える様に拳を高くあげてみた。