思いの外、
電話にリカはスグ出てくれた。


話したい事があって
家の前まで来てるんやけど…、

あの、その…

口ごもる俺にリカは、

『アタシ別に話す事ないし。帰って。』

そう言って、
そっけなく電話を切った。


泣きたいような気持ちと、
負けたくない意地、
プライドが混じり合う。


ふと顔を上げると、
電信柱に気付いた。

電柱は、
当然アーケードの上まで伸びている。

電柱にはステップ(足を掛けるボルト)が付けっ放しになっていて、

梯子の様にアーケードまで登れそうだ。

……よし。

行くか。