リカは、傷付いていた。

慰さめようとして電話をするが、
何を言ってもうわの空といった風で、
うん、うん、と、
カラ返事が返ってくるだけ。

俺は慰さめになればと思い、
ナオキに電話した事を話した。

するとリカは、

『…モッツ君が余計な事するからフラれたんだよ。』

いや、違う、俺は二人に仲良くして欲しくて…

いや、違わないか。
でも必死で言い訳するが、
もう声は届かない。

リカ、俺に出来る事なら…

『うん、もう(電話)切っていい?』

この時のリカの言い分も、
勝手な話だと今なら思うが、

俺たちは
自分の傷を隠して人に優しく
出来る程、

大人ではなかった。