『おい、ガキが。警察ナメるなよ…』

そう刑事さんが凄んだのは、

ドラマでしか見たコトのない
取調べ室で、
本当にマジックミラーなんてあるんだ
と感心しながら

ソレを覗き込んでいた時だった。

俺は慌てて
膝の上に手を置きうつむいてみせた。


廊下からは、
リカの啜り泣きが聞こえてる。

『バレー部だって?
スポーツマンがこんな事するなんてな…
なんでこんな事になったんや?』

強面の刑事さんが言った。

俺だってやりたくてやったんじゃ、


いや、
やりたくてやったのかも知れない。


ただその時の俺には、
自分の事すらよくわからなかったんだ…