そして、ため息をつく。 あきらめた、とでもいう風に。 『櫻木さん!』 なんて、期待のこもった声が聞こえるけど。 椅子の前に立つ。 そして。 ーーードドドド……… 大勢の足音が近づいてくる。 「伊紅!」 聞き慣れた、声。 みんなの注意が一瞬廊下へ移る。 その隙に。