次の日。
学校で、若宮が俺に話しかけなくなった。
というより、沢田のことを一言も口にしなくなった。
まあ、俺としてはいいけど。
そして、放課後は相変わらず病院通い。
「あ、旭くん。こんにちは」
「こんにちは。沢田、どうですか?」
「……特に変わらないかな」
だよな。
昨日の今日で目を覚ましたりしたら、それはそれで驚く。
「旭くん、美琴と話す?」
「じゃあ……少しだけ」
俺がそう言うと、里穂さんは立ち上がってどこかに行ってしまった。
気を使ってくれたのだろう。
「沢田……元気か?」
いざとなると、なにを言えばいいのかわからなくなるものだな。
こんなことしか言えねーし。
笑えてくる。
「昨日から、担任が変わってさ。昨日、ここに来たんだ……って、起きてねーからわかんねぇか。俺な、あいつがさっそく嫌いになったよ。結局、沢田のこと心配してるようで、してなかったんだなーって」