ときどき母さんが俺の心の中、読めるんじゃねーかって思う。
つーか、生きたいって思うようなこと……
さらにハードル上がってね?
「日々の努力ってやつだ。わかったか、旭」
俺か。
里穂さんに言ってたんじゃねーのな。
「わーったよ。でも、今日は帰るからな」
時間も時間だし。
明日も学校あるし。
「黒瀬くん、ありがとう」
「いえ……」
「里穂、こいつにお礼なんて言うことないよ。それに、あたしも黒瀬。そこ、忘れないでよ?」
ババアが……!
邪魔してんじゃねーよ。
「じゃあ……旭くん。また、明日ね」
里穂さんはそう言って、俺にほほ笑みかけた。
ヤベェ……
沢田に似すぎて無駄にドキドキする……
って、こんな言い方したら里穂さんに失礼か。
「よし。帰るぞ、旭」
「はいはい」
俺たちは病室を出て、車で家に帰った。