さてと。
家から出るな、とか言われたけど、沢田の見舞いにでも行ってみっか。
どうせ近場の病院に入院してるだろ。
んで、病院に着いたのはいいが……
相っ変わらずでけー病院だな、ここは。
っと、受け付けに行って沢田の病室どこか聞かねぇと。
「あの、沢田美琴さんのお見舞いに行きたいんですけど」
俺は受け付けにいる看護師に聞いた。
「304号室ですよ」
笑顔で優しく対応してくれた。
やっぱ、ここに入院してたか。
俺は軽く頭を下げ、言われた病室に向かう。
ここだ。
ネームプレートを確認すると、そこに沢田の名前があった。
一人部屋だから、ノックをしてドアを開ける。
中に入ると、一人の女性が、沢田が眠るベッドの隣で椅子に座っていた。
「あなたは……?」
俺に気付いて振り返った彼女は、目の下にクマを作っていた。
おそらく、沢田の母親だろう。
「クラスメートの黒瀬旭です。お見舞いに来ました」
なんか、緊張する……