俺が携帯を出そうとカバンの中に手を入れたら、沢田が俺の腕をつかんできた。
男が怖いくせに、なんで……?
それだけ、警察に連絡してほしくないということか?
俺の腕をつかんだ沢田の手は、震えていた。
「沢田?」
やっぱ怖いんだろ?
だったら、離せばいいじゃねーか。
お前が本気でイヤなことはやらねーし。
「警察に、連絡しないで……私、が、やったことだから……」
は……!?
自分で、やったのか……?
どうして……
「なんでそんなことしたんだ?」
「…………」
頼むから、こういうときだけは黙らないでくれ。
沢田はそっと手を離し、うつむいてる。
「とにかく着替えてこい。話はそれからだ」
今さらになるが、目のやり場に困るんだ。