「美琴ちゃん、誰かを頼るってことも大切よ?」
失礼な。
ちゃんとなっちゃんを頼ってるもん。
「私だけ、なんてダメだからね」
……心の声が読めるのですか、あなたは。
「……マンガみたいな展開を求めたら痛い目に遭うから」
なんだかなっちゃんの言葉が正論すぎて、つい弱気になっちゃう……
「少しは夢、見てみたら?」
「絶対に見ない」
たとえなっちゃんでも、これだけは譲れない。
「もう……頑固だなぁ」
……そういうわけじゃないと思うけど。
「とにかく、黒瀬くんも頼りなさい」
やだ。
あいつのせいで悪化したもん。
なんでそんなヤツを頼らないといけないの?
なっちゃんには話したはずなのに。
なのに、なんで?
なんでそんなこと言うの?
「美琴ちゃん、ここを卒業したら誰を頼っていくの?私とずっと一緒にいられるわけじゃないのよ?」
「そうだけど……」