【旭side】
……なんで抵抗しねぇんだよ。
すんなり服脱いでんだよ。
嫌だって言えよ。
助けてって。
そしたら、俺、今すぐお前のこと……
いや、違うよな。
俺は……
お前が好きなんだから、言われなくてもお前を助けねぇとな。
そう思ってからの行動までは早かった。
俺は教室の真ん中で立ち尽くして大学生を見ているあいつに近寄り、上着をかけた。
「黒瀬くん!?」
「なんで!?」
なんつーか、当然の反応。
「俺、こいつ……沢田美琴のことが好きだからさ。これ以上は見てらんねぇや」
俺は沢田の肩を抱きながら言った。
すると、沢田は意識を飛ばした。
……なにこれ、デジャヴ?
しょうがねぇ、また保健室に連れてけばいっか。
てか、沢田のこの姿をほかの男に見せたくねぇ。
俺は沢田をお姫様抱っこし、空き教室を後にする。
後ろから女子の叫び声が聞こえてくるが、無視だ。
俺は沢田以外興味ない。