もう授業始まるのに……
「目無し……どこか知ってんでしょ?」
「さっさと言いなさいよ!」
あらら……
一瞬でご機嫌ななめじゃないですか。
もう……
女子はイケメンが絡むと扱いにくいなぁ……
って、あれ?
あの後ろ姿……
「ちょっと聞いてんの!?」
おっと、外を気にしすぎて、彼女たちの存在、忘れてた。
私は慌てて、窓の外のグラウンドを指さす。
だって、そこに黒瀬くんがいたから。
「キャーっ!」
あ、もしかしてそれって悲鳴じゃなくて黄色い歓声だったりする?
てか、黒瀬くんってそんなにかっこよかった?
あ、私顔見てないんだった。
ま、そのうちわかるからいっか。
「目無し!今日はこれで勘弁してあげるわ」
それは……どういう意味?
今日はいじめないであげる、という……?