一瞬、その人が神かと思った。
そこにいたのは、クラスメイトの篠宮くん。
小学生なのに、クールな雰囲気をまとっている。
イケメンかどうかはわからないけど、よくクラスの女子にキャーキャー騒がれているのを見かける。
「もう一回聞く。お前らなにやってんだよ」
篠宮くんの声が少し低くなる。
同い年のはずなのに、篠宮くんの背中は大きく、頼りがいのあるものに見えた。
「え……いや……その……」
男の子たちは篠宮くんが怖いのか、口ごもっている。
「いいか。こいつを泣かしていいのは俺だけだ」
…………はい?
私は耳を疑った。
というか、篠宮くんのセリフの意味がよくわからなかった。
「…………?」
どうやらいじめっ子たちもよくわからなかったみたいで、口を開けてポカンとしている。
その顔がおかしくて、笑いが込み上げる。
「おい」