敵みたいな奴からそういうことされるの。
下手すれば反感すら買ってしまいそう。
で、黒瀬ファンの女子は黙ってあちこちに散らばった。
黒瀬本人に、あれだけ言われたらさすがになにも言えないだろうね。
ちょっと同情する。
「はーい、席に着いてくださーい」
気まずい空気が流れている教室に、そう言いながら入ってきた男性。
「……っ!?」
う、そ……
なんで、この人がこんなとこに……?
私は彼の顔を見た途端、頭が真っ白になった。
出席簿を持って教室に入ってきたってことは、この人が新しい担任ってことだよね……
お母さんが教えてくれた名前は、確か……若宮先生。
そして、なにより聞き覚えのある声だ。
どうして、あの人が……
とにかく、目を合わせないように、合わせないように……
「では、これでSHRを終わります」
ずっと下を見ていたら、いつの間にか終わった。
よし、このまま……こ、の……