……失礼な。
あんたたち、私の顔、見たことないくせに。
「だったら……転校生?」
「きっとそうよ!」
あ、転校生になっちゃった。
違うんだけど。
ま、とりあえず迷うことなく教室に行ってみますか。
女子のこういう噂話、聞いてるだけで楽しいんだよね。
ツッコミどころがありすぎて。
私はしたくないけどね。
だって、される側の気持ち知ってるから。
だから、絶対にしない。
「……ね、誰か嘘って言ってくれない……?」
「……同感。あれが目無しとか信じたくない」
「……ありえない、ありえない……」
おお、女子の絶望的な声だ。
無理ないけどさ。
あ、今教室ね。
私は迷わず自分の席に着く。
運良くまだ席替えしてなかったから、よかったよかった。
「黒瀬くん!この子、誰!?」
おっと、思いきった女子登場。