弥生ちゃんはしぶしぶ立ち上がった。
「また遊びに来てくださいね。そのときまでには片付けときます」
お母さんは弥生ちゃんにそう言った。
お母さん、片付けないといけないのは私なんだよ。
ごめんね、こんなことして。
なんて、もうしわけなさすぎて言えなかった。
「美琴、お昼は食べたの?」
弥生ちゃんを見送ったお母さんが、テーブルの上にあったコップを片しながら聞いてきた。
今の時間は……
だいたい十四時だね。
この時間なのに昼食べた?って聞くのはおかしくない?
なんて言っても、食べてないけどさ。
「ううん、食べてない」
「なんか食べる?」
あー、ホント優しいよ。
感動して涙が出ちゃいそう。
ってのは、冗談ね。
「じゃ、甘いものもらっていい?」
もうこの時間でお昼食べたい、とは思えないからさ。