幸せなんだね、今の生活。
「ね、大樹、旭は?」
「朝から出かけたっきり、帰ってきてないよ」
いないんだ、黒瀬。
ホッとしたような、寂しいよう、な……
……あれ?
私、今……
「美琴ー、なにやってんのー?まさか、人の旦那に惚れてないでしょうねー」
固まってると、キッチンから弥生ちゃんの声が聞こえてきた。
弥生ちゃん、黒瀬にも似たようなこと言ってたよね、病院で。
この手の話が好きなのかな?
「そんなわけないじゃん!」
「言い切るなよ!」
私が答えてすぐ、弥生ちゃんにツッコまれた。
すると一瞬でその場が笑いに包まれた。
「ただいまー。玄関に見慣れない靴があったけ、ど……!?」
黒瀬はリビングに入ってくるやいなや、目を見開いた。
私の顔を見て固まってる。
まるで、今さっきの私みたい。
って、そうじゃない。
距離が近い!
「あ、旭、おかえりー!どう?サプライズ!」