「黒瀬家にようこそ!」
今日は土曜日だから、仕事が休みだという弥生ちゃんは、朝から私の病室に来ていた。
待ち遠しそうに私のこと見てきて。
子供みたいだなって思った……なんて、やっぱり言えないけどね。
いい大人にそんなこと、言えるわけない。
で、今は黒瀬の家の前。
退院して一旦家に帰って荷物を置いてきたり、着替えたりしたんだけど……
そのときもかなり弥生ちゃんに急かされ
た。
おかげで、まともな服が着られなかったのも、これまた秘密ね。
「ささ、上がって上がって」
私たちは背中を押され、リビングに通された。
するとソファに座っている人がいた。
もしかして、黒瀬……?
「そうだ。紹介するね。夫の大樹(だいき)」
弥生ちゃんの紹介で、大樹さんは立ち上がった。
あ、顔見ると全然違った。
てか……若っ!
いくつだよ、旦那さん!
というか、弥生ちゃん嬉しそう。