歩いて5分の距離だから、まあいいかと思いながらも、段々強くなる雨にため息がもれる。

すると、まだ入り口にいた女性が、

「あの、もしよかったら、一緒に傘に入りませんか?」

と声をかけてきた。

「え、」

「いや、よかったら…
 傘はこれ1本しかありませんし、雨も
 強くなってきてますし…」

なんとなく濡れて帰るのが嫌になっていた俺は、ラッキーと思いながら、

「ありがとう。じゃあ、そうさせてもら
うよ」

と答えていた。