翼side
君と俺が出会ったのは、梅雨がまだ明けきらぬ6月の夜だった。
この春から産婦人科の医者として働き始めた俺、藤原 翼(ふじわら つばさ)、24歳。
仕事を終え家に帰った俺は、食べる物が何もなかったことを思いだし、コンビニに行こうと歩いて家を出た。
その時空は曇っていたが、雨は止んでいた。
コンビニで適当に食べ物を選び、会計をしてもらっていると、1人の女性が息を切らしながら店に入ってきた。
その女性は「セーフ」と小さく呟き、入り口に置かれている残り1本だった傘を手に取った。
気がつくと、外には雨が降っていた。
君と俺が出会ったのは、梅雨がまだ明けきらぬ6月の夜だった。
この春から産婦人科の医者として働き始めた俺、藤原 翼(ふじわら つばさ)、24歳。
仕事を終え家に帰った俺は、食べる物が何もなかったことを思いだし、コンビニに行こうと歩いて家を出た。
その時空は曇っていたが、雨は止んでいた。
コンビニで適当に食べ物を選び、会計をしてもらっていると、1人の女性が息を切らしながら店に入ってきた。
その女性は「セーフ」と小さく呟き、入り口に置かれている残り1本だった傘を手に取った。
気がつくと、外には雨が降っていた。