『それじゃあ扉を開くぞ』

オルドが指を鳴らすと五つの扉が一斉に開いた。

そして、みんなは扉の中へと足を踏み入れる。

「頑張ってね、みんな」

みんなの姿が見えなくなると扉は静かに閉まった。

『さて、お前たちは俺の手伝いをしろ』

『手伝いだと?』

ソレイユが首を傾げた。

僕は、そんなことよりも雪菜のことが心配だった。

『愛斗、雪菜が心配なのは分かるが。今は我慢しろ』

「う、うん」

『それで、手伝って欲しいことってなに?』

オルドは軽く笑うと、また一つ扉を出した。

『それはだな――』

オルドが扉を開けた時、小さな妖精の子供たちが扉の中から一斉に飛び出してきた。

「こ、子供の妖精?!」

『まさか手伝って欲しいことって……』

『この子たちの遊び相手だ』

そんなこと言われても、妖精の子供となんて遊んだことないからどうやって遊べば……。

妖精の子供たちは僕たちの周りに集まってきた。

『ねぇお兄ちゃん抱っこ!』

『絵本読んでよ!』

『肩車して!』

そ、そんないっぺんにたくさん言われても!

『たく……、仕方ないな』

すると、シアンとソレイユは僕と同じくらいの大きさになった。

「えええ!大きくなれるの?!」

『なれるさ、オルドを見てそう思わなかったのか?』

「あっ……」

よく考えたらオルドは僕たちより身長が大きかった。

『何して遊ぼっか?』

シアンは子供たちの目線に合わせてしゃがむ。

『絵本読んで!お姉ちゃん』

一人の女の子がシアンに絵本を渡した。

『いいよ、じゃああっちで読んであげる』

シアンは数人の子供たちを連れて別の部屋へと行ってしまった。

「なんか、子供に慣れてるって感じがする……」

僕たちは、奏佑たちが帰ってくるまで子供の遊び相手となった。