『これだけじゃ駄目だよ。この傷が塞がらないのは、多分あのジェネシスの力のせいだから』

『ジェネシス……?』

『アクの持っていた精霊剣の名前だよ』

『ジェネシスなんて、聞いたことないぞ』

『私も……、初めて聞いた』

私は荒くなる息を整えようとする。

しかし、話す度に息が荒くなっていく。

このままだとほんとに死んでしまう。

『おい!大丈夫か?!』

『っ?!』

ソレイユは咄嗟に剣を構えた。

『待て!怪しいもんじゃない』

『お、お前は……』

『オルド……?』

どこから現れたのかオルドは、私たちの傍に来ると私に手をかざしリンクを無理やり解除する。

『ちょ、何するのオルド!雪菜の体に負担がかかるじゃない?!』

『これで良いんだよ』

オルドの言葉にソレイユと愛斗はリンクを外す。

雪菜は闘いの傷のせいで意識を失っていた。

『俺について来い』

オルドはそう言うと鍵を使って扉を出す。

そしてオルドは雪菜を抱き上げる。

『雪菜の手当はこちらでする。だからついて来い』

オルドは扉を開け中へと入って行く。

「ねぇソレイユ、オルドって誰?」

ソレイユは、チラッと私の方を見たけど私はオルドの後に続いた。