シアンも人差し指を出し、私の指先に触れる。

すると私の体を青い光が包み込む。

「こ、これは?」

「雪菜?!」

青い光は私の目の前で集まると一つの光となる。

そして、青い光の中から一つの指輪が私の手のひらの中に落ちた。

「こ、これって」

たしか、クレールが優空君に渡していた指輪?!

『それは、空の指輪。その指輪がないと変身できないの』

私は指輪をじっと見つめる。

指輪のガラスの中に、綺麗な細工が施されていて、青い蝶がキラキラと光輝いていた。

『ソレイユも出してあげたら?』

『分かってる』

ソレイユも愛斗のに手をかざす。

「ぼ、僕も?!」

愛斗の体が赤紫に色に輝く。

その光は愛斗の頭上で集まり、光の中から私と同じ指輪を落とす。

『俺は、夕日の妖精だから。それは夕日の指輪だ』

「夕日の指輪……」

『だが、その指輪はまだ使えない』

「え、なんで?」

使えないってどういうこと?

『その指輪は、私たち七人しか持つことができない指輪なの。だけど、ソレイユたちはまだ加護を受けていないから使えないの』

「たしか、ソレイユが言っていたことだよね?」

『少しだけな、あの時は説明不足だったが』

『見てこれ』

シアンは、指輪の中を指さす。

『雪菜の指輪には、空の加護を受けた証として、青い蝶の紋章が刻まれるの』

「空の加護?」

シアンは、頷くと再び指輪に目を向ける。

『私は、空の妖精だから空の力を使うの。そして、空の加護を受けた私は更に強い力を持っている』

だからアクとの闘いであんな凄い力を発揮出来たんだ。

じゃあ、愛斗たちも加護を受ければ一緒に闘える。

「じゃあ!僕もその加護を受けて、指輪の中に蝶の紋章が刻まれれば闘えるんだよね?」

愛斗の言葉にシアンは頷いた。

『ソレイユは夕日の妖精だから、愛斗は夕日の加護を受けなくちゃ闘えない』

「なら、今すぐやろう!」

愛斗は立ち上がった。

でもシンクは首を左右に振って言った。

『急いでも無理だよ』

「な、なんで?」

『加護を受けるには、場所・状況・時間が決まっているんだ』

「そ、そっか……」

ソレイユの言葉に、愛斗は肩を落として座り直す。