『ここは、いつ来ても落ち着くね』

部屋に入ると、辺りはクリスタルの光で照らされ光の粒が蛍のように浮いていた。

俺は、そのクリスタルに近寄り手を合わせる。

そして、“中にいる者”に声をかける。

「今日も敵を倒すことが出来たよ、“姉さん”」

『奇跡……』

シンクも手を合わせて祈る。

「これから、俺がやる事を見守ってて、必ず姉さんを助けるから」

俺は、それだけ言うとオルドのもとへ向かう。

そして大きな扉の前に立ち、その扉に手のひらを合わせ押す。

「オルド、俺だよ」

『……覚悟を決めたか?』

オルドは、ゆっくりとこちらを振り返ると言う。

「あぁ。この時代は俺が居なくても、梨杏と珖が居るから大丈夫だ」

『なんだかんだで、信頼してるじゃん』

「何か言ったかシンク」

『べ、別に……』

俺は開かれる扉を睨みつける。

『準備はして来たんだ、必ず帰ってこいよ』

オルドは俺に鍵を預ける。

「分かってるさ、必ず戻って来る」

俺は、シンクとリンクする。

「必ず未来を手に入れてみせる」

扉から発せられる光の中へ、俺は進んでいく。

『大丈夫だよ奇跡、私が付いてるんだから』

「それは、とても心配だ」

『ひどーい!』

俺は軽く笑う。

俺たちは、光の中へと消えて行った。