【ソレイユ】

『シアン……、なんで俺に姿を見せてくれないんだ……』

俺は、お前に会いたいのに。

会って色々と話したいことがあるんだ。

この周りには、微かにシアンの力の気配が残っている。

ということは、やっぱりシアンは目覚めたんだ。

『じゃあ、何でまた雪菜の中に?』

俺たちに会いたくないのか?

それとも、まだ自分のせいだと思っているのか?

ナデシコが死んだことを……。

そう思っているなら、俺にだって責任はある。

ナデシコが死んだのは、お前だけのせいじゃないだろ?

『シアン……』

俺は、拳に力を込めた。

『大丈夫だよ、ソレイユ』

『っ!』

シアンの声が俺の中で響き、俺はその場で止まる。

目を愛斗に目を向けるが、どうやら愛斗には聞こえていないらしい。

『シアンなのか?』

『……久しぶりだねソレイユ』

『お前!なんで俺たちに姿を見せないんだ!』

『ごめんね。思ったより力の消耗が激しくて……。だから、もう少しだけ待ってて』

シアンの言う通り力を使いすぎたのか、声音はとても疲れているように感じた。

『シアン……、俺は……』

『その話はまた今度ね、だけど私はソレイユの気持ちには……』

そこでシアンの声は途切れた。

そのせいもあるのか、俺の隣を飛んでいた青い蝶の姿も消えた。

『俺の気持ちには答えられないのか……』

シアンの気持ちは分かる。

そうだよな。

だって、お前はナデシコが好きだったんだから。