『それでいいのよ、雪菜』

シアンは、ソレイユたちと同じサイズに戻ると私の中へと入り込む。

青い光が私の体を包み込み服装が変わって行く。

青い光に包まれて、私は地面に足をついた。

『私は、あなたの為に力を貸す』

「私は、みんなの為に闘う」

頭上に手をかざし、精霊剣の一つであるアジュールを召喚し鞘に戻す。

「アク、あなたに思い通りにはさせない!」

私は、元の場所に戻ってきたことを確認した。

「い、今のは一体?!」

突然過ぎて色々と言っちゃったけど……。

私は、自分の姿を見回す。

「これが、シアンとリンクした時の姿なの?」

『そうよ雪菜、これで貴方は闘える力を手に入れた』

「シアン……」

私の中にシアンがちゃんといる。

私は、それをちゃんと感じとることが出来た。

「雪菜ー!」

私の姿を見つけた愛斗が、私の元に駆け寄ってくる。

「愛斗!」

良かった!愛斗とソレイユは無事みたいだ。

『お前……、その姿』

「シアンとリンクしたの」

シアンの名前を口に出すと、ソレイユは驚いた表情を私たちに見せた。

『本当にシアンなのか?』

ソレイユの言葉に、シアンは何も言わない。

『俺の言葉は無視かよ……』

もしかして、ソレイユとシアンは仲が悪いのかな?

ふとそんなことを思った。

「良かった雪菜が無事で、それに雪菜の妖精も」

『話はあとよ』

私は、鞘からアジュールを抜く。

「今は、みんなを助けないといけない」

「僕も雪菜の力になりたい、でも……今の僕じゃ」

「大丈夫だよ愛斗。愛斗もソレイユも、みんな私が守るから!」

私は、アクの気配がする方へと向かった走り出した。

「僕は、雪菜に守られたいんじゃない……」

愛斗は、拳に力を込めた。

「僕が雪菜を守りたいんだ。大切な人だから」

『愛斗……』

愛斗とソレイユは、私たちが駆けて行った方向を見つめていた。