『シンクは、八人目の守護妖精なんだって』

「は、八人目の……?」

『本来、守護妖精は七人しか存在しないの。でも、この子は奇跡の守護妖精であって奇跡はシンクの守護者』

「じゃあ……」

本来なら七人しか存在しない守護妖精なのに、異例の八人目が現れたってこと?

『そのことに対して、何か言うことはあるの?』

シアンの言葉に奇跡は首を左右に振った。

「シンクが守護妖精なのは確かだ。その証拠に、俺は真紅の指輪を付けている」

奇跡は私たちに見えるように、右手の薬指に付けている真紅の指輪を見せてくれた。

『確かに、これは守護妖精しか持つことが出来ない指輪だけど……』

「まだ信じないのか?」

『だって、あなたは精霊剣を使っていなかった』

「あの時って……」

それは、奇跡とグリードが闘った時の話だろう。

「守護者の武器が精霊剣だけだとは限らないだろ」

『でも、私は精霊銃なんて聞いたことない』

「お前でも知らないことなんてたくさんあるだろ。リヤンやジェネシスの事とかな」

『っ!』

奇跡の言葉にシアンは口を閉じる。