【雪菜】

あの闘いから一週間が過ぎた。

闘いのあと目を覚ました私は、愛斗から私が眠っていた間の話を全部聞いた。

リヤンのこと、エンヴィーとプライドのこと、そして八人目の守護妖精とその守護者のことを。

リヤンのおかげで、みんなの傷は直ぐに癒えた。

立て続けにいろいろなことがあったけど、ようやく落ち着いて来た頃。

私とシアンは、オルドの部屋へと呼ばれていた。

そこには、元守護妖精でもあるアカツキの姿もあった。

『エンヴィーの話のおかげで、アクの目的とヴィーナスたちの居場所が分かった』

「ほ、本当ですか?!」

これで、やっとヴィーナスやルルたちを助け出すことが出来る。

そう思ってシアンの方に視線を向ける。

『……』

しかし、シアンはどこか気まずそうに視線を下に向けていた。

「シアン?」

どうかしたのかな?

『そこで、俺たちは八人目の守護者である奇跡の力を借りたいと思ってる』

「その奇跡って子は、今何処にいるんですか?」

『一人で調査したいとかいって、ここにはいない』

「そうですか……」

ちょっと残念だ。

会ってお礼を言いたかったのに……。

『あいつには、直ぐに会えるさ。問題なのは、今後の話だ』

「そうですね」

『雪菜、お前にはもう一つ話ておくことがある』

『なんですか?』