『ぷ、プライド……?』

『駄目だろエンヴィー。ここは、アクに通るなって言われてる廊下なんだから』

『プライドっ!』

プライドの姿を見て安堵した私は、プライドに体に抱きついた。

『ちょ、エンヴィー?!どうしたの?!』

『助けて……プライド』

『な、何言ってんのさ?』

プライドは、心配した表情で私の顔を覗き込んだ。

『何かあったの?』

私の涙を拭いながら、プライドは優しい声音でそう聞いてくる。

『……』

だけど応えることはできない。

応えたらプライドもどうなるか分からなかったら。

もしかしたら、殺されるかもしれない。

『まさかアクに怒られたの?』

『ち、違うよ!違うけど……』

プライドが傍にいても、私の体には震えが残っていた。

『と、とにかく早くここから出よ!ここにいたら危険だから』

『危険?それってどういう』

『あれ?一人から二人に増えてる』

私とプライドは一斉に後ろを振り返った。

私たちの背後には、不気味な笑顔を浮かべるアクが立っていた。

それを見た私の心は、恐怖でいっぱいになった。

『なんだアクか、驚かさないでくださいよ』

『ごめんね、でも君たちが悪いんだよ?ここは、入ってきちゃだめだって前に言ったよね?』

『俺は、エンヴィーを探しに来たんです。これから戻りますから』

プライドは、私の手を引いて歩き出す。

『そういうわけには行かないんだよ』

『え?どういうことですか?』

『だめ……プライド……』

『エンヴィー?』

アクがジェネシスを振り上げた時、私はプライドの手を強く引っ張った。

『うわぁ!』

私たちは、そのまま後ろに倒れ込む。

『ご、ごめんエンヴィー!』

『私は大丈夫、だけど早く逃げないと……!』

プライドは、アクの方へと振り返る。

私たちのいたところには、大きな剣の跡が残っていてそれを見た私たちは目を丸くした。