名前を思い出せない。

「私は、誰なの……?」

再び自分に問うてみた。

「私は……、消えたはずの存在……?」

少し思い出してきた。

そうだ、私はあいつと闘って自分の身を犠牲にしたんだ。

じゃぁ、何で消えたはずの私は生きているの……?

何でこんなところにいるの?

「私は……」

私は、閉じていた目を開く。

「私は……、何で……」

私は、薄れている自分の手のひらを見る。

「まだ、完全には戻ってないのね……」

そして、また目を閉じる。

「私の復活は時がくれば分かる……。それに、誰が迎えに来るのかも……」

私の中で一人の少年の名前が浮かんだ。

「ソレイユ……」

私は、彼の名前を呟きまた深い眠りへと入った。