【アク】

『あーあ、気絶しちゃった』

もう少し遊びたかったのに残念だ。

それに――

『駄目だよルル。第2のヴィーナスが、自分はヴィーナスなんかじゃないって言っちゃ』

もう羽が生成され始めている時点で、もう君はヴィーナスなんだよ。

『羽の生成が始まったなら、俺も“あれ”を完成させなくちゃね』

俺は、ルルの部屋を後にしてある部屋へと向かい、部屋がある薄暗い廊下を歩いて行く。

この廊下は、俺以外誰も通ることを許していない。

それは、この先にとても大切な部屋があるからだ。

それをあいつらに見られたら、俺の計画が失敗に終わる可能性だってある。

俺は、部屋の中へと入るとゆっくりと扉を閉めた。

そして、今まで七つの大罪たちが集めてきれくれた『負の液体』を、ガラスケースの中へと注ぐ。

『これだけあれば十分かな?あとは……』

俺は、ガラスケースの中にいる者に声をかける。

『目が覚めたら働いてもらうよ、俺の妹よ』

俺は、愛しそうにガラスケースを撫でる。

すると、ガラスケースの中に浮かぶ少女の体に、負の液体が注ぎ込まれていく。

『早くこの世界をぶっ壊して、世界を作り直そう』

俺は、そう言い彼女に微笑みかけた。