「クレールのことは気にするな。それよりも雪菜、体の方は大丈夫なのか?」

「え……」

優空君の言葉で胸が高鳴る。

優空君が、私のこと心配してくれた。

「雪菜?」

「へ!」

優空君の顔が近くなり、頬が熱くなる。

「だ、大丈夫大丈夫!全然平気だから!」

「なら良かった。あの時お見舞いにも行けなかったら、気になってたんだ」

「し、心配してくれてありがとう」

どうしよう、凄く嬉しい!

それに、胸の鼓動が早くなってる。

「ゆ、優空の方は大丈夫なのか?プライドと闘って酷い怪我負ってたし」

「え?!そうなの!」

そういえば、良く見たらワイシャツの下に包帯が巻かれているのが見える。

本当に激しい闘いだったんだ……。

そうとは知らず、私のはしゃぎようったら……。

そう思った時、私の頭を撫でる優しい感触を感じた。

顔を上げると、私の頭には優空君の手の平が乗っていた。

「ゆ、優空君……?」

「心配しなくても大丈夫だよ雪菜、俺は大丈夫だから」

「わ、分かった……」

頭がボーッとしてきて、それしか言えなかった。

『あっちが一枚上手ね』

『まったく優空ったら、陽菜がいるくせに……』

『陽菜?』

『な、何でもないわよ』

すると、ちょうど小林先生が教室入ってきて、優空君は自分の席へと戻って行った。

「どどど、どうしよう……」

私は、服をギュッと掴む。

絶対、今の私の顔真っ赤だ。

でも、これで改めて再確認できた。

私……、優空君のこと凄く好きなんだ。

そんなことを考えていた私の姿を、愛斗が辛い表情で見ていることに気が付かなかった。