『そんなこと、雪菜たちがさせない』

『あいつらが、俺に勝てるはずないだろ』

『いや、勝てるよ』

私は自信に満ちた瞳をグリードに向けた。

私は信じてる。

雪菜やシアンたちなら、必ずアクや七つの大罪たちを止められるって。

『それは、お前の信じる希望ってやつか?』

『そうだよ。私は、雪菜たちに希望を持ってるんだよ』

『希望など、持ったところで叶わないさ』

『え……?』

一瞬グリードの表情が和らいだように見えた。

しかし、そこにはもういつものグリードがいた。

『俺はこれで行くが、逃げるなよ』

『逃げられないこと、知ってるくせに……』

グリードが部屋から出ていったあと、私はどんよりとした空を見上げた。

あの日以来から青空を私は見ていない。

『雪菜たちなら、大丈夫だよね』

私は信じてる。

誰がなんと言おうと雪菜たちを――

何を話したのかどんな人物だったのか……。

あまりはっきりとは覚えていないけど、私と雪菜に暖かい真紅の光を差し込んでくれた。

彼のことも私は来てくれると信じてる。