こんな綺麗な瞳をしているのに、なぜこんなことをするのだろうか?

アクのため?それとも兄弟姉妹たちのため?

『なんで、グリードは私が欲しいの?』

ずっと気になっていたことを、私はグリードに聞いてみた。

第2のヴィーナスと呼ばれる私を欲しがるということは、それなりに大きな理由があるはずだ。

『それを、俺から聞くのか?』

『知りたいだけ』

私がそう答えるとグリードは軽く笑う。

そして私の唇に自分の唇を重ねた。

『んっ!』

私は直ぐにグリードを突き飛ばす。

『何するのよ!』

『お前が俺に聞いたんだろ?なぜお前を欲しがるのかと』

『そ、そんなの答えなんかじゃ!』

私は唇を拭った。

だってそれってつまり……。

グリードは私のことが……。

『強い力を持った妖精同士が結ばれれば、その間に生まれた子は、強い力を持つ事が出来る』

『……え?』

私はグリードから距離を取る。

『つまり、七つの大罪の最強の俺と、第2のヴィーナスのお前との間に生まれた子は、アクよりも強い力を持てる可能性があるってことだ』

『それって……、グリードはアクを殺すってことなの?』

『それは違う。あいつは、俺たちは兄弟姉妹の恩人だ』

恩人?

アクが七つの大罪たちの恩人?

『殺したりはしない。だが、あいつの位置は俺たちがいただく』

『……それが、あなたの本当の狙いなのね?だから、私を欲しがるんだね』

『そうだ』

その時のグリードの瞳に私の体に鳥肌がたった。

さっきの綺麗な瞳とは違い、そこには強欲に満ちた瞳が浮かんでいた。

やっぱり、彼は強欲の妖精なんだ……。

自分の強欲のためには、私を使い自分の子供を作らせようとする。

そして、その子供に力を持たせアクの位置を狙っている。