「言っておくが、俺はシンクを見つけ次第出て行くからな」

「じゃあ、私はシンクを見つけても何も詮索しない。じゃないと、私の未来がないからね」

雪南は、メロディを連れて部屋から出て行った。

「思い出した……」

青柳雪南は、あの人の──。

俺は、部屋の窓を明ける。

窓の外を見ると、朝日が登りかけていた。

俺は、もう一度指輪を見る。

「必ず見つけるから。待っててくれよシンク」

俺は朝日にそう誓った。

必ずシンクを見つけて、今度こそ行くんだ。

俺たちが行くべき未来に──。

「待っててくれよ姉さん」