絶対自分の事を話すわけには行かない。

話したら過去が変わってしまうかもしれないからだ。

実際過去を変えに来たのはそうだけど、俺はアクだけ倒せればいいし、それ以外を変えるつもりはない。

「はぁ……」

雪南は俺から聞くのを諦め、別の質問をして来る。

「じゃあ、どこに住んでるの?送ってくから家の場所を教えて」

「家はない」

「……はっ?」

さすがにこの答えはやばかったか……。

家がないなんて答えは、自分がこの時代の人間ではないことを言っているようなものだ。

「誤解するなよ。家がないと言っても、ただの家出だ」

「……」

雪南は、疑わしい目で俺を見てくる。

こいつ、意外と鋭いかもしれない。

なら今度は、逆に俺から質問をしてみることにした。

確かめたいことが一つあったからだ。

「なぁ、今は2197年であってるよな?」

「は?何言ってんの」

「え……」

雪南は、胸の前で腕を組むと言う。

「今は、2173年だぞ。お前頭馬鹿になったのか?それとも、頭でも打ったのか?」

酷い貶されようだが、頭は馬鹿になっていないし、頭も打っていないはずだ。

俺は頭の中を整理し始める。