あたしと聖也には特別な力がある。


だからお互いを意識するのは当然の事で、それは好きとかそういう事じゃなくて……。


頭の中でグルグルと言い訳をしている。


口に出して説明もできないし、なぜだか心臓はドクドクと高鳴っていた。


「でも、聖也の事が知りたくてそんな事を聞いたんでしょ?」


「それは……そうなんだけど……」


あたしは完全にアスカと視線を合わせる事ができなくなっていた。


体が燃えるように熱い。


「待って? どうしてアスカは聖也の事が知りたいって思ったの?」


あたしは中学時代の話を聞いていただけだ。


それと聖也が簡単に結びついてしまったアスカに疑問が浮かんできた。


「あぁ……チエの事を聞いて来たからだよ」


今度はアスカがあたしから視線を逸らせた。


「どういう事? チエって子と聖也は何か関係があるの?」


そう質問しながらも、嫌な予感が胸を渦巻いていた。


それは昼間予測した事だったのに、現実に突き付けられそうになるとこんなにも痛い。


「彼女だったんだよ」


アスカの小さな声が、あたしの胸に突き刺さった。