「どうして礼の周りには強い人間ばかりが集まるんだろうね」


高校に入学してからも、礼の周りにはクラスカーストの上位者ばかりが集まっていた。


だから礼は自分の力以上の力を発揮することができているのだ。


礼1人なら、きっとそこまでひどいイジメはなかっただろう。


「野乃花知らないの?」


「なにを?」


「礼の家は資産家なんだよ。両親は大きな会社の経営者。一緒にいると有名人も集まるイベントやパーティーに呼んでくれるみたい」


結菜の言葉にあたしは首を傾げた。


礼の家は資産家?


それならストリップなんてやらせる必要がないじゃないか。


そう思っていると、結菜が疑問を察したように補足をした。


「礼は幼い頃からいろんな習い事をさせられて、ほとんど自由がなかったんだって。勉強もスポーツも人よりできていないと許されない。


お小遣いもその月の成績によって左右されるらしいよ。それが中学の時についに爆発して、クラスメートをイジメてストレスを晴らすようになったんだよ」


なるほど、そういう事か。


お嬢様として甘やかされて育ったわけでもないんだ。


だったらなお更他人の気持ちを考えてくれてもいいのに……。


あたしはそう思い、ライバルの存在にため息をはいたのだった。