あたしと聖也では能力のとらえ方が違いすぎるのかもしれない。
それなら、何を話したってすれ違うばかりだ。
「あたし、もう帰るね」
丸山家の人たちも少しは落ち着いたようで、家の中は静かだ。
あたしたちの出る幕はもうどこにもない。
そう思い、玄関先から離れたその時だった。
「2人とも」
そう声をかけられて振り返ると、おじさんが立っていた。
「はい」
聖也が返事をする。
「これを。君たちも読んでおいてくれ」
そう言い、一枚の手紙を差し出してきたのだ。
あたしは一瞬躊躇したが、玄関先へと戻った。
「これはなんの手紙ですか?」
手紙を受け取りながら聖也が聞く。
「聡の遺書だよ」
その言葉にあたしは一瞬にして昨日の聡さんの様子を思い出していた。
聡さんが見せた笑顔や涙が胸に付き刺さる。
「読んでもいいんですか?」
「あぁ」
おじさんは頷き、家の中へと戻って行った。
聖也はチラリとあたしに視線をやり、そして手紙を開いた。
それなら、何を話したってすれ違うばかりだ。
「あたし、もう帰るね」
丸山家の人たちも少しは落ち着いたようで、家の中は静かだ。
あたしたちの出る幕はもうどこにもない。
そう思い、玄関先から離れたその時だった。
「2人とも」
そう声をかけられて振り返ると、おじさんが立っていた。
「はい」
聖也が返事をする。
「これを。君たちも読んでおいてくれ」
そう言い、一枚の手紙を差し出してきたのだ。
あたしは一瞬躊躇したが、玄関先へと戻った。
「これはなんの手紙ですか?」
手紙を受け取りながら聖也が聞く。
「聡の遺書だよ」
その言葉にあたしは一瞬にして昨日の聡さんの様子を思い出していた。
聡さんが見せた笑顔や涙が胸に付き刺さる。
「読んでもいいんですか?」
「あぁ」
おじさんは頷き、家の中へと戻って行った。
聖也はチラリとあたしに視線をやり、そして手紙を開いた。