そんな中家の奥から出て来たのはおじさんだった。


「あぁ、君たちか。ちょっと待っててくれ」


そう言い、泣いているおばさんを家の奥へと促し、自分はサンダルを履いて出てきてくれた。


「おじさん、これは一体どういう……」


あたしが言い終わる前に、おじさんは言った。


「聡が首を吊ったんだ」


その言葉にあたしと聖也は言葉を失った。


聡さんが首を吊った……。


頭の中は真っ白になって、何も考えられなかった。


ただ、どうして? という疑問だけが湧いてくる。


聡さんの番号札は朝の時点で4ケタまで戻っていた。


今日死ぬなんて考えられない番号だった。


「みんなが寝たあと、1人で自殺しやがったんだ」


おじさんはそう言い、鼻をすすった。


「幸彦がいなくなって、途端に寂しくなったんだろうなぁ。それにしても、俺と女房を置いて行くなんて親不孝な奴らだ!」


おじさんはそう言い拳を握りしめた。