それからあたしと聖也は聡さんの話を聞き、夕飯をごちそうになり、お風呂に入らせてもらい、そしてまた話を聞いていた。


夜が深くなってきても親戚たちの話し声は絶えず、時間が経てばたつほど賑やかになっていく。


ようやく布団に入ったのは夜中の3時で、それでもあたしはまだ眠くはなかった。


みんなのパワーを目の当たりにして目がさえてしまったようだ。


「いいなぁ、こんな葬式」


隣の布団に入っている聖也がふと呟いた。


「そうだね。みんな泣いていたけれど、最後には笑顔で楽しかった頃の話をしてる」


隣の部屋からはまだ話し声が聞こえてきている。


きっと、みんなこのまま朝を迎えるのだろう。


聡さんも、今は親戚の輪の中に入っている。


「そうだ! 大切な事を言い忘れてた」


ハッとしてそう声を上げる。


思わず上半身を起こして聖也を見る。


「な、なに?」


聖也もあたしにつられて体を起こした。


「聡さんの番号に変化があったの。」


それはあたしがお風呂から戻って来た時の事だった。