眉間にシワをよせ、苦しそうに言う。


丸山先生の葬儀には年配者も多く参列している。


その中で死期が近い人も何人かはいるだろう。


あたしは声をかけることができなくて、代わりに窓の外を見た。


いつしか人の番号札を見ないように意識して生きて来た。


今この瞬間に数字がどんどん減っている人もいるはずなのに、見ないようにしてきた。


けれど聖也はそれを夢という形で否が応でも見せられているのだ。


あたしは外の参列者たちを、そしてその人の番号札をジッと見つめた。


高齢者の番号が極端に減っているのが目に入る。


でも、この人たちはまだいい。


自分の人生を全うしようとしているのだから。


聖也を苦しめているのは、人生の途中で突然命を奪われてしまう人の方だ。


そう思って確認していると、ある男性が目に入った。


「あ……」


思わずそう呟く。


その男性は丸山先生にそっくりな顔をしていたのだ。