昼ご飯を屋上で食べた結果。


和には好きな人がいると知った。


落ち込んでしまったあたしはその後3人でどんな会話をしたのかも忘れてしまい、学校が終わって帰る時も今にもアスファルトの道路に溶けてしまいそうだった。


いっそ溶けてしまえれば楽なのに。


そんな事を考えても、あたしは無事に家までたどり着いてしまった。


やる気も気力も湧いてこない。


着替えもせずにリビングのソファに横たわると、キッチンで炊飯器のスイッチを入れたお母さんが呆れた声を出した。


「着替えくらいしてきなさい」


「わかってる……」


そう返事をするけれど、起き上がる気力はなかった。


「明日丸山先生の葬儀でその制服を着るのよ?」


怒ったようにそう言われて、あたしはようやく体を起こした。


確かに、葬儀の時にしわくちゃな制服だと失礼かもしれない。


「野乃花も色々あって大変だと思うけど、今が踏ん張りどころよ!」


お母さんはそう言い、あたしの背中を強く叩いたのだった。