みんな今日の授業内容はほとんど頭に入っていなかったようだ。


あたしも、先生が一生懸命教えてくれても教科書を写す気にもなれなかった。


「野乃花、ご飯どうする?」


結菜に言われてあたしは顔を上げた。


気が付けばもう昼休みだ。


集中できないまま時間は経っていたようだ。


みんなも、少しずつ昨日までの様子に戻りつつある。


「屋上で食べよう」


あたしはそう言い、お弁当箱を持って立ち上がった。


少しでも気分を変えたい。


今日は天気もいいし、風に当たりながら食べたらきっとおいしいだろう。


「いいね。そうしようか」