今までもそんな事は何度でもあった。


あたしは丸山先生が死ぬとわかっていたから、わかっていながら誰にも何も言わなかったから、悲しんでいる相手の目を見て会話することができないのだ。


あたしは机の木目をジッと見つめていた。


誰も悪くない罪悪感はいつまでも晴れる事はなく、あたしに重たくのしかかって来る。


もしかしたら、聖也はそんな気持ちを少しでも軽くするために、変わらない運命を変えようとしているのかもしれない。


あたしは顔をあげ、聖也を見た。


聖也はジッと前を向き何を考えているのかわからない表情で、空中を見つめていたのだった。