☆☆☆

家に帰るとあたしはベッドに仰向けに寝転んだ。


気持が落ち着かず、イライラして何度も寝返りをうつ。


クラスメートの聖也に同じような能力があるなんて衝撃的な事がわかったけれど、今の気分は最低なものだった。


聖也はずっと死ぬ人を助けようとしてきて、あたしはとっくの前にそんなこと諦めて、自分の保身に努めて来た。


その差を見せられてなんだか自分が情けなく感じられた。


だけど、あたしのやっていることは間違っていないはずだった。


誰にも理解されない。


能力の事を話せば変な子と笑われる。


そんな生活を続けていくのはうんざりだった。


そこから脱出するために見て見ぬふりをした。


全部、自分のためだ。


あたしが当たり前に生活していくために必要なことなんだ。


そう思っても、やはりイライラはとまらなかった。