「うん。確かに、可能性はゼロじゃないかもしれない。だけど、寿命を延ばすだけで完全に助ける事はできないと思う」


あたしたちが関わる事で死ぬ時間を伸ばす事ができるとしても、あたしたちが常にその人と一緒にいなければいけないと言う事になる。


そんなの、不可能に近い事だった。


家族でもなければずっと一緒にいるなんてできない。


「俺たちが相手と関わるだけで死ぬ時間を延ばせるんだ。もっと色々考えてみれば、助けることだってきっとできる」


あたしが何を言おうが、聖也は目を輝きを失わせることなく、そう言ったのだった。