ハッと目を覚ますとそこは自分の部屋だった。


大きく深呼吸をして気持ちを整える。


あたしは陸谷高校に通う17歳。


塚原野乃花(ツカハラ ノノカ)。


あたしは幼いころから人が首に下げている番号札が見えていた。


その番号札は徐々に数字が減っていて、最終的にゼロになる。


ゼロになった人間がどうなるのかは……夢で見た通りだ。


何をしたら番号が減るのか、どうすれば番号を増やす事ができるのか。


子供頃は試行錯誤してみたりしたけれど、結局のところ番号を動かす事はできず、その番号は人の寿命を示しているのだと理解できた。


「またあの夢か」


あたしはそう呟き、ベッドから起き上がった。


あたしが幼稚園の年長さんだったころ、目の前で人が自殺をした。


その方法があまりに衝撃的だったことと、番号札がゼロになった人を初めて見たことで、あたしの脳にしっかりと刻み込まれてしまった。


あたしは制服を持って一階へ向かい、軽くシャワーを浴びた。


冷たい水を全身にかぶると頭がハッキリしてくる。