聖也の言葉をあたしは静かに聞いていた。


涙はいつの間にか止まっていて、以前丸山先生が『節約のために今日からバイク通勤なんだ』と、言っていたことを思い出していた。


「帰る途中、事故は起こった。信号無視のトラックが丸山先生のバイクに突っ込んできたんだ。


先生はバイクから投げ出されて、電柱にひどく体をぶつけたんだ。そのまま気を失った先生の体に大破したバイクの破片が激突した」


聖也はそう言うと、大きく息を吐き出した。


夢の内容を思い出したためか、目が赤く充血している。


今話たことは本当だろうか?


もし、本当だとすれば……。


あたしは、ジッと聖也を見つめていたのだった。