今まで我慢してきたものがどんどん溢れ出してしまう。


「お、俺。予知夢ができるんだよ」


慌てたように聖也は言った。


「いいよ、そんな、なぐさめなんて……」


「ほ、本当だって! って言っても全員の死が見れるわけじゃなくて、自分の身近な人の死だけが夢に出て来るんだ」


聖也の言葉にあたしはそっと顔を上げた。


聖也は真剣な表情でこちらを見ている。


「……本当に?」


「あぁ。だから、今日の事故も……」


そう言い聖也は口を閉じた。


予知夢。


それは思ってもいない言葉だった。


「……丸山先生はどうやって事故にあったの?」


「……丸山先生は午前中の授業を終えて、午後の授業に使うための材料を買いに出ていたんだ。


最近、先生ってバイク通勤してただろ? そのバイクで近くの店まで行っていたんだ」